患者さんの声(7)

家族みんなで一緒に病気に向き合っています

(Tくん(仮名) 4歳とお母さん)
ヌーナン症候群
主治医:和田 啓介先生
島根大学医学部 小児科

掲載記事の内容は、1人の患者さん・ご家族の体験談であり、
すべての患者さんに同じ効果を示すわけではありません。

初めて成長ホルモン治療の話を聞いたときのことを教えてください。

お母さん:Tには生まれつき心臓の病気があり、生後1年間は薬を1日3回飲ませていたのですが、その頃のことを思い出し、毎日の注射は大変そうだと思いました。それに、私が子どもに注射するということにも抵抗がありました。
でも、主人が「自分が責任をもって毎日注射をするから大丈夫」と言ってくれたことで、「低身長の治療ができるなら、やってみよう」と思って治療を始めました。2018年5月、Tが3歳のときです。

Tくんの様子はどうでしたか?

お母さん:最初は嫌がっていたので、「痛くないからね」と言って、本人には見えないお尻への注射から始めました。スタートして3か月後くらいから私も注射できるようになってきて、主人か私で、腕、おなか、お尻のそれぞれ左右で計6か所に順番に注射し、その場所をカレンダーに書き込んでいました。注射する場所によって痛みの感じ方が違うようで、最近は本人から「腕にして」と言ってきます。将来は自分で注射をしてもらいたいので、「こういうのだよ」と注入器を見せています。

注射を毎日続けるために何か工夫はされていますか?

お母さん:毎日、だいたい同じ時間にすることですね。Tがお風呂から上がって寝るまでの夜8時から9時くらいに主人と私が互いに「今日はもう注射した?」と聞き合って、どちらかが注射をすることにしています。もし注射についてわからないことがあれば、次の診察の時に先生に聞くようにしています。

成長ホルモン治療についてどのように受け止めていますか?

お母さん:今日の診察では、この1年間の身長の伸びが同じ年齢のヌーナン症候群の男の子の平均を上回っていることがわかりました。結果が目に見えると、治療を始めてよかったなと感じます。1日1回ですし、細い針なので、毎日注射をすることは思ったほど大変ではありませんでした。食事や入浴と同じで、だんだんと慣れてきます。Tの兄弟には、「注射をするのは、友だちよりも背が低いから、伸ばすためだよ」と伝えてあります。みんなTを応援してくれていて、将来は兄弟でTを支えてほしいと願っています。

Tくんが、いま一番興味あることは何でしょう?

お母さん:「石見神楽(いわみかぐら)」というこの地方の伝統芸能が大好きで、「鬼が怖い」と言いながらもDVDに見入っています。家で「神楽ごっこ」もしますし、お祭りなどを見に行くと一番前で見ています。

これまでの治療を振り返って、いかがですか?

お母さん:生まれてすぐの頃から心臓と血液のそれぞれ専門の先生に診てもらっています。通院も最初は1週間に1回で、受診する診療科も異なるので大変でした。
でも、主人とは「手術を受けたり、薬を飲んだり、病院に通ったり、一番大変なのは本人だよね」と話しています。Tに対しては、将来、病気のことを理解してほしいという部分と、わからないままの方がいいという部分の両方の思いがありますが、親としてこれからも一緒に病気に向き合っていきます。
病気の子どもを持つことで、他の病気のお子さんにも目がいき、その子のことやご家族の思いを考えるようになりました。他のヌーナン症候群のお子さんのご家族はどうしているのかなという気持ちも前からあって、会うような機会があればいろいろな話をしてみたいと思っています。

先生からのメッセージ

診察や定期採血にも協力的で、いつも診察室では石見神楽の動画を見ているのが印象的です。最近はお母さんも治療を始めてよかったと感じてもらえて私自身もうれしく思います。
これからもまだ先は長いですが、一緒に治療を行っていきましょう。

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