患者さんの声(2)

家族に料理を作るのが楽しいです

(れんくん(仮名) 中学校2年生(13歳)とお母さん)
SGA性低身長症
主治医:大津 義晃先生
群馬大学医学部附属病院 小児科

掲載記事の内容は、1人の患者さん・ご家族の体験談であり、
すべての患者さんに同じ効果を示すわけではありません。

お子さんの成長ホルモン治療はいつから始められましたか?

お母さん:生まれたときから小さかったので、この子を産んだ病院で、成長のことも含め診てもらっていました。成長ホルモン治療を始めたのはいまから4年前、れんが小学校4年生のときでした。主人も中学生の頃、身長のことで悩んだ時期があったので、後悔しないようにと、治療を始めました。

自分で注射をする治療だと聞いて、どう思いましたか?

れんくん:びっくりしたし、怖かった。

 

お母さん:どのような副作用があるかなど、先生に聞いたり、いただいた冊子を読んだり、インターネットで調べたり、いろいろな方に聞いたりしました。 

実際に始めてみて、注射はスムーズにできましたか?

お母さん:治療を始めた頃は、注射はかわいそうだという思いもあり、「ごめんね」などと言って注射をしていました。消毒や針の取り扱いなど、治療に慣れるまでは不安なこともありましたね。診察のたびに先生に相談し、アドバイスを受けていました。

 この2年くらいは、本人自身が、「背が高くなりたい」、「注射をしてから寝よう」という気持ちが出てきたようで、毎晩、自分で冷蔵庫から薬を出してきます。私がれんの太ももに注射しています。

普段の生活で気をつけていることはありますか?

お母さん:食事、運動、睡眠ですね。食事はカロリーに気を配りながら、野菜、肉、魚、炭水化物をバランスよく食べることを心がけています。先生から、運動をした方がよいと言われているので、週1回、スイミングのレッスンを受けています。中学校は自転車通学なのですが、行きは下り坂で20分くらい、帰りは上り坂で30分くらいかかるので、これも運動になりますね。

 

れんくん:学校までずっと坂道です。でも、途中で休むことはないです。中学に入った頃と比べて、坂道が楽になりました。

この4年間を振り返って、お子さんが変わったと感じるところはありますか?

お母さん:身長が伸び、体つきもしっかりしてきました。以前は冷蔵庫から薬を出すときに踏み台が必要でしたが、いつの間にか、台を使わなくても届くようになっていました。それに、自信がつき、積極的になった気がします。買い物のときには荷物を持ってくれて、とても頼もしくなりました。

 最近、れんが料理を始めたんです。休日に昼ごはんを作ったり、私が手いっぱいのときは家族の朝食を作ってくれたりします。一緒に買い物に行っても、食材を選びながら「今度はこれを作ってみたい」とお互いの興味が色々と広がりますね。

いつごろから料理に興味を持ったのですか?

れんくん:小学校5年生くらいから、好きになりました。お母さんの横で見て覚えたり、動画サイトを見たりして、自分で作っています。この前は、ニンジンなどの野菜を入れたみそ汁を作りました。

将来はどんな仕事をしてみたいですか?

れんくん:花屋さんになりたいです。最近、花が好きになり、家でチューリップやパンジー、バラなどを育てて観察しています。きれいな色の野菜も好きで、こんどはニンジンを植えてみたい。ニンジンは、食べるのも好きです。

 

お母さん: 自分で「花係」だと言って、花を植えて水をあげていますよ。

成長ホルモン治療に対する印象をお聞かせください

お母さん:治療を始めてから1年くらいは、少し怖かったのですが、続けるうちに慣れてきたというか、治療してよかったという気持ちが強くなっています。いまは私よりも身長が高くなりました。主人も、昔の自分とれんの成長が重なったようで、最近、注射を手伝ってくれるようになりました。治療にかかわることで、治療の大切さや本人の気持ちを共有することができると思います。

先生からのメッセージ

とても前向きに治療を続けていますね。身長だけでなく体格も良くなっていますね。好きな料理や花屋さんの目標に向かって頑張ることも続けてください。子どもの成長ホルモン治療にはご家族のサポートがとても大切だと思います。

 

JP23GH00057

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