患者さんの声(3)


ここまで手が届くようになった!
―あせらず、気長に、娘の成長を見守っていきたいと思っています。―
(仮名 咲子ちゃん(小学5年)とお母さん)

監修:杉本 守治先生
津山中央病院 小児科 部長


-診断の結果を聞いて、どのように思われましたか?

娘は生まれたときから小柄だったので、大人になってもそれほど背は高くならないだろうと漠然と考えていました。でも、杉本先生の説明では、私が予想してい た以上に成長しにくいだろうということでした。将来、周りの人たちより背の低いことが娘にとって不利にならないだろうかと考え、治療を受けることを決めま した。
これまで注射をしたことのない私がきちんと注射を打てるのか、治療でどこまでほかの子たちに追いつけるのか、いつまで続けるのか、副作用はないのか…。気 がかりなことはありましたが、治療を受けられるのであれば受けたいという気持ちのほうが強かったですね。


-注射を始めるにあたって、お子さんにはどのように説明されましたか?

このままだと背が伸びないこと、でも注射をすれば周りの子たちと同じぐらいに背が伸びることを話しました。すると本人は「いまの背のままではいや。注射は 怖いけれどやってみる」と言ってくれました。自分で注射を打つわけではありませんから、そのぶん不安は少なかったようです。


-お子さんの成長を見守るご家族に、メッセージをお願いします。

成長ホルモンの治療を始めるのであれば、早ければ早いほどよいと思います。背の伸びを実感することで、周囲の友だちに引け目を感じることもなくなって積極 的になれるし、そのぶん活動の幅も、そして将来の可能性もぐんと広がると感じています。親子ともに治療について十分に理解する必要もありますし、毎日注射 を続けていくのは大変な面がありますが、いろいろなことに前向きに取り組むようになった娘を見ていると、治療を続けてきてよかったと心から思います。


咲子ちゃんの主治医の杉本先生にコメントをいただきました。

長く治療を続けていくには使いやすい注入器を選ぶことも大切です。

咲子ちゃんが治療を始めたのは小学校に入学された頃でした。検査の結果、SGA性低身長症と診断され、将来的に小柄なままであることが予測されること、成 長ホルモン治療により身長の伸びが期待できることをお母さんに説明したところ、「ぜひ治療を」と希望されました。これまで大きなトラブルもなく、身長も順 調に伸びています。
成長ホルモン治療は、ほぼ毎日の注射を続けていくことが大切です。そこで、毎日の注射の負担を少しでも軽くし、また確実に注射ができる注入器の選択も重要 なポイントのひとつになります。安定して注射をするには、注入器の大きさやグリップの太さなどが影響します。また、その人の握り方や力の配分も考慮する必 要があるので、実際に注射をする方と相談しながら、じっくり選ぶようにしています。
病院での指導を受けた後に自宅で注射を始めてみると、お子さんが痛みを訴えたり、「これでいいのだろうか」と親御さんが不安に感じることもあるでしょう。 そんなときは、どんな小さなことでも主治医に相談していただければと思います。打ち方のコツをおさらいしたり、必要に応じて注入器を選びなおすこともでき ます。お子さん本人、そして親御さんが納得し、安心して治療を続けていける環境を一緒につくっていきたいと考えています。

杉本 守治先生
津山中央病院 小児科 部長

JP/NT/0618/0188